出生前診断を検討されている妊婦さんの中には、日本国内の普及率が気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は日本国内の出生前診断の普及状況についてご紹介させていただきます。
目次
全体的な受検率の推移
出典:日本における出生前遺伝学的検査の動向1998-2016,日本周産期・新生児医学会雑誌2018
2006年には全妊婦の2.6%以下しか出生前診断を受けていませんでしたが、2016年には約7.16%まで増加しました。この10年間で受検率が約3倍に上昇したことがわかります。
ですが、欧米諸国と比較するとまだまだ低い水準にあります。
多くの欧米諸国では「全妊婦に選択肢が提供されるべき」という方針がありますが、日本では「全妊婦への選択肢提示は推奨されていない」という状況のようです。
- デンマーク: 非確定的検査の受検率が84.4%(2006年)
- イングランド&ウェールズ: 非確定的検査の受検率が88%(2009年)
- フランス: 84%(2010-2011年の調査)
- アメリカ: 非確定的検査の受検率が約70%
- 台湾: 非確定的検査の受検率が65-80%
出典:ヒロクリニック
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年齢別の受検率
出典:厚生労働省 NIPT等の出生前検査に関する専門委員会「女性から見た出生前検査(2020)」
2020年の調査によると、年齢層によって受検率に大きな差が見られます。
- 35歳未満: 17.1%
- 35~39歳: 34.7%
- 40歳以上: 59.1%
40歳以上の妊婦では半数以上が、何らかの出生前診断を受けていることが明らかになりました。
受検率増加の要因
日本社会における出産年齢の上昇に伴い、染色体異常のリスクが高まる高齢妊婦が増加しています。
2013年に導入されたNIPT(新型出生前診断)は、従来の検査よりも精度が高く、リスクも低いため、多くの妊婦に選択されるようになりました。
メディアでの報道などにより、出生前診断の存在が広く知られるようになりました。
妊婦さんの意識調査
出典:厚生労働省「出生前検査に関する妊産婦等の意識調査や支援体制構築のための研究(令和2年度)」
厚生労働省の2020年度調査によると、将来の妊娠で出生前診断を「受けたい」と答えた女性は51.8%に上りました。
男性でも51.5%が「受けたい」と回答しており、約半数のカップルが出生前診断に前向きな姿勢を示しています。
まとめ
出生前診断の受検率は年々上昇しており、特に高齢妊婦での受検率が高くなっています。
しかし、この検査には倫理的な問題も含まれているため、受検を検討する際には十分な情報収集と慎重な判断が必要です。
医療機関や専門家との相談や家族としっかり話し合って決まることが大切になると思います。
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